電子書籍時代のブックデザイン 45―インタラクティブPDF(ダイナミックPDF)はブックデザイナーにとっては理想の電子書籍だ
何のことはない、《PDF HD》というPDFリーダーでインタラクティブPDF(ダイナミックPDF)が機能することがわかった。つまり、PDFに埋め込まれたリンク機能が使えるのだ。これで従来のInDesignを中心としたブックデザイン制作の手法を生かしたまま、電子書籍にインタラクティブな機能を盛り込むことができる。
どういうことか簡単に説明すると、InDesignはドキュメントにハイパーリンク、ブックマーク、ページ効果、ボタンなどといったインタラクティブな機能を付加することができ、それをそのままPDFに埋め込むことができるようになっていて、AcrobatなどのPDFリーダーでひらけばその機能がそのまま反映されるのだ。つまり、目次の見出しとそのページをリンクさせておくと、目次をクリックするとそのままそのページをひらくことができる。
だが残念なことに今のところAcrobat ReaderのiPad版は発表されていないし、《iBooks》とか《i文庫HD》を始めとするiPad用の各種電子ブックリーダーでは、PDFを表示させることはできても、それらインタラクティブな機能は反映されなかったのだ。それが《PDF HD》というたった115円のPDFリーダーでは可能になった。これには感激!
これまでこういったインタラクティブな機能を電子書籍に埋め込むにためはXHTMLなどのマークアップ言語を記述できる知識が必要とされていたわけだが、そんな知識などなくてもPDFに埋め込んだ機能がそのまま反映されるということであれば、これはブックデザイナーを始めとするグラフィックデザイナーにとっては福音となるだろう。
リンクされているテキストが自動的に着色されている。
目次のテキストに触れると目的のページが表示される。
栞にも自動的に目次が追加され、どのページからでも目的のページへ瞬時に移動することができる。これらの機能が特別な知識がなくてもInDesgnで可能になるのだ。それはつまり、「自炊」で作ったPDFに目次を追加するだけで(目次とページをリンクさせる手間は必要だが)、インタラクティブな電子書籍に生まれ変わるということでもある。但し、今のところ右開き(横組み)を前提に作られていて、左開き(縦組み)だとページが戻ってしまうのが残念だ。i文庫HDのようにユーザー側で自由に設定を変えられるようになると有り難いのだが。
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